よく韓国語と日本語は文法が一緒だと言われます。では日本語話者にとって、韓国語の文法を勉強する必要はないのだろうか。
私の周りを見渡しても、きちんと基礎から学習を進めてる人。テレビや韓国人の友だちからフレーズを聞き韓国語を勉強する人。韓国語の恋人ができたから韓国語を習得する人。
100人いれば100通りの学習方法で、みなさま学習を進めているように感じます。これを読んでくださっているみなさまは文法を勉強しましたか。
語学の勉強方法には王道はなく、どれが正解・どれが間違いはないと考えていますが、私はやはり「文法の勉強は必要」だと考えています。
今回は「なぜ文法学習が必要なのか」「どの部分に重点を置いて初級・中級それぞれ勉強すればいいのか」について説明します。
私は文法から韓国語の学習を始めました。
私が経験した文法学習のメリット・デメリット(?)を紹介したいと思います!
なぜ文法を勉強するのか。
「文法」と聞くと、英語の文法を勉強して辛かったことが思い出されるかもしれません。「文法」に対して苦手意識がある人も少なくないはず。
でも皆さん、小学生の時に日本語でも文法を学びませんでしたか。日本語の動詞を活用させて覚えたはず。例をひとつ見てみましょう。
「行く」→ 行かナイ・行きマス・行っタ・行く・行くトキ・行けバ・行け・行こウ
日本語もこんなに活用します。それは韓国語でも一緒。原形の「行く(가다)」だけ覚えても文章は作れません。
最悪、簡単な文章を伝えるだけなら原形でも伝わるかもしれません。でも聞き取りや読解となるとどうでしょうか。正しい活用を知らないと、聞いたり読んだりすることはできません。特に韓国語は似たような言葉や短い言葉が多いので、正しい活用を知らないと意味がわからなかったり、全く違う意味として解釈してしまったりします。
また助詞の使い方も大切です。助詞とは「てにをは」のことで、単語について言葉の関係を表すものです。例えば「海に行く」の「に」が助詞にあたります。
これに間違った助詞をつけて、「海が行く」としてしまったらどうでしょう。
何を言っているのかちんぷんかんぷんですね。海に足でも生えて移動するのか?と解釈もできそうです。
以上のことから正しく文章の意味を伝えるためにも「文法の勉強は必要」です。。
そんなこといっても小学生で日本語を真面目に勉強しなかったけど、今日本語は話せてるけど?
それは親や先生、周りの人々が膨大な時間をかけて、話しかけてくれたり、絵本を読み聞かせて日本語を教えてくれたから。
外国語を勉強する私たちには、そんな長い時間かけて教えてくれる人なんていない。だから、自分から文法を習得していくしかない。
初級文法では何を学ぶのか。
文法の必要性は理解できても、範囲が広くて何から手をつけていいのやら。と思うかもしれない。ここでは抑えるべきポイントを紹介するよ!
初級文法は家造りでいうと「基礎工事」の部分です。みなさまの韓国語の基礎となる部分。ここをすっ飛ばすと雨や風にさらされたとき(難しい問題にぶつかったり、中級・上級へとステップアップするときに)すぐに家(韓国語力)が崩れてしまいます。
初級で学ぶことは大きく分けて3つ。ここをしっかり押さえていきましょう。
- ハングル文字の読み方・書き方
- 動詞や形容詞の活用
- 主な助詞の使い方
ハングル文字の読み方・書き方
韓国語といえばハングル文字!ここをすっ飛ばして勉強されている方はさすがに少ない気がします。
学習者が最初にぶち当たる壁であり、結構な高さがある壁です。
子音+母音でハングル文字が作られていることはわかっても、パッチムは日本語にはないので理解しづらいです。さらに初級から発音変化の説明書き。「鼻音化?連音化?日本語で説明されているのにもかかわらず意味がわからない!」と嫌になったりもします。
でも大丈夫。韓国語学習を続けていると、自然とハングル文字は読めるようになってきます。
だから、8割、いや6割程度、ハングル文字が読めるようになれば、さっさと次のステップへ進むのが得策です。
ちなみに中級の本でも出題されるほど、韓国語の発音変化は難しい。
初心者のうちは100%理解しようとせずに「そういうこともあるんだな」程度で進めていこう。
せっかく勉強する気になったのにここでつまづくのはもったいない。
日本の学習者にありがちな傾向として、「100%を目指す」「間違ったら恥ずかしい」というのがあります。
失敗は何も恥ずかしくなく、挑戦したから失敗するのです。挑戦することは素晴らしいことです。
今回間違ってしまったとしても、次回間違わなければいいだけなのです。
動詞や形容詞の活用
ここが一番の正念場!
動詞や形容詞が活用できるようになれば、初級文法は終わったも同然。
初級文法では、丁寧な言葉である「합니다体(ハムニダ体)」「해요体(ヘヨ体)」の二つを覚えます。
また活用としては、現在形・過去形・意志未来・提案勧誘・現在連体形・過去連体形・未来連体形・連用形・命令形を学びます。
いやいやいやいや!!!!待って!!!!!!!
めっちゃあるやん!!!!!!!!!
一気に覚えるとパニックになるから落ち着いて進めよう。
まず現在形・過去形を覚えることが先決。
その2つをクリアしたら、残りを進めて行こう。
市販のテキストは初級者が学習しやすいように編集されているので、テキストに沿って前から進めていけば大丈夫だよ。
一番使用頻度の高い動詞・形容詞の現在形・過去形・意志未来を覚えると、主語述語の文章が作れるようになります。
さらに、連体形(単語を修飾する形・美しい花等)や連用形(美しく)、勧誘や命令形まで使えると文章の表現の幅はかなり増えて、簡単な会話もできるようになります。
もし「旅行で韓国語を話せるようになりたい。」という目標があれば、最低限上の初級文法を覚えていれば旅行会話はできるようになります。
正しい韓国語の活用を覚えることはとっても大切!
活用が分かれば、伝わるようになるし、聞き取れるようにもなる。
意外とみんなここを飛ばしているのか、間違った使い方をよく見かける。
間違うことは悪くはないけど、将来的に上級者を目指すのであれば基礎からしっかり!
主な助詞の使い方
初級では基本的な助詞も学びます。
パッチムがあるものとないもので、助詞の形が変わるものが多いので注意して勉強を進めます。
私が初級テキストで学んだ助詞は次の通り。数が多くて、似ている形も多いですが、少しずつ使える表現を増やしていきましょう。
助詞 | 意味 |
---|---|
는/은 | 〜は |
가/이 | 〜が |
를/을 | 〜を |
와/과 | 〜と |
로/으로 | (道具・手段)で (場所)へ (原因)で |
에 | 〜に |
에서 | (場所)で (場所)から |
하고 | 〜と |
에게/한테 | (人・動物)に |
의 | 〜の |
도 | 〜も |
에게서/한테서 | (人)から |
부터 | (時間)から |
까지 | まで |
注意が必要なのは、日本語と韓国語での助詞の使い方の違い。文法が似ているが故に、日本語的な表現をしてしまい間違うことがある。
代表的なものに「〜が好きだ」を「〜가/이 좋아하다」としてしまう。
正しくは「〜를/을 좋아하다」。
おすすめの勉強方法
最後におすすめの文法の勉強方法を紹介します。
ハングル文字は自力で覚える!
まず共通していえることは、『ハングルは自力で覚えること』。ここは単純にただ覚えるだけなので、この時点からスクールに通うことはもったいないです。
今はとてもわかりやすくハングル文字を教えてくれる書籍がたくさんあります。値段も手頃なので、一度自分で勉強してみて、「韓国語が楽しいな」「続けられそうだな」と思ったらスクールを検討しましょう。
毎日韓国エンタメに触れていたら、ゆっくりでもハングル文字は覚えられるようになります。トイレやキッチン、部屋などにハングル文字の表を貼って覚えるのもありですね!
知り合いに全てスクール任せで、何も韓国語の知識がないままスクールに通い始めた人がいました。しかし、その人は家で一切勉強せずにスクールだけで済ませようとしたために成長が遅く、ついにはハングル文字を覚えきれずに学習を終えてしまいました。
全てスクールでまかなうことは難しい例だと思います。自習は必須!
文法の学習は自分のライフスタイルに合わせて選択を!
独学もスクールもどちらもいい面・悪い面があります。
スクールはお金がかかる代わりに、毎週通うことになるので学習が継続しやすく、わからない部分はすぐに先生に聞いて解決できます。もし今まで受験勉強など、自分から学習したことがなければスクールに通ったほうが韓国語を続けやすいでしょう。
一方で独学のいいところは手軽さです。お金も時間もかかりません。
私はどの本でもいいので、一冊初級の本を終わらせてからスクールに通うことをお勧めします。独学で一通り文法をした後に、スクールで「会話+文法事項の復習」が一番効率とコスパがいいです。どうしてもわからない、前に進めないところまできたり、一人での勉強は辛いなと感じてからスクールを検討し始めても遅くはないです。
お勧めの入門書はこの3つ。
左の『hime式 イラスト&書いて覚える韓国語文法ドリル』が一番易しく、キャッチーなイラストも多く、遊びながら韓国語を勉強できます。
真ん中の『できる韓国語』シリーズは韓国語テキストの王道。大きいテキストで書き込みやすいところも特徴。ノートを使わず勉強したい人、短い文章を読みながら勉強したい人向き。
右の『本気で学ぶ韓国語』は名前からも分かるとおり、本気で韓国語に取り組みたい人向け。とても分厚い本で途中で挫折しそうになりますが、これ一冊終えれば初級の実力(ハン検3〜4級)は充分についているでしょう。
千里の道も一歩から!
少しずつ前へ進もう!