発音変化にはいろんな種類がありますが、今回は『鼻音化』について紹介します。
鼻音化は数ある発音変化のなかでも音の変化が大きいです。そのため、文字で見る単語と音で聴く単語のギャップが大きく、なんとなくで聞き取れません。しかも、結構な頻度で登場する厄介者が鼻音化。
鼻音化がわかれば、聞き取れる単語の量は格段に多くなりますので、一緒に頑張って覚えましょう。
鼻音って?
鼻音とは、ㄴ[n], ㅁ[m], ㅇ[ng]のことを指します。実際口に出してみると、これらの音を出すときに鼻から空気が抜けるのが分かりますか?これが「鼻」音と呼ばれる理由です。
そして、日本人には「ㄴ, ㅁ, ㅇ」の使い分けが難しいと言われています。なぜならㄴ, ㅇはどちらも日本語では『ん』と表記されるからです。ㅁも強く発音してしまうと、암→아무といった具合に違う単語として認識されてしまいます。
下の表で、発音の方法をまとめています。日頃から音の違いを意識して勉強するだけでも、かなり変わりますので、ぜひ意識してみてください。
パッチム | 音 | 説明 |
---|---|---|
ㄴ | [n] | 舌が前歯の後ろあたりにつく。 |
ㅁ | [m] | 上唇と下唇をくっつけて「む」と発音する。 強く発音すると「무」になるので、ㅁパッチムはあくまで音を添える感じで。 |
ㅇ | [ng] | 口を開けて、舌はどこにも付けずに「ん」と発音する。 喉の奥の方で発音する感じ。 |
鼻音化のルール
鼻音化とは、「ㄱ」「ㄷ」「ㅂ」で発音されるパッチムに、「ㄴ」「ㅁ」の子音が続いた場合に、「ㅇ」「ㄴ」「ㅁ」パッチムへ変化することを言います。
ㄱ + ㄴ, ㅁ → ㅇ + ㄴ, ㅁ
ㄷ + ㄴ, ㅁ → ㄴ + ㄴ, ㅁ
ㅂ + ㄴ, ㅁ → ㅁ + ㄴ, ㅁ
分かりやすいように一つ例を挙げてみてみましょう。
「ある」という意味の「있는」。ㅆパッチムはㄷ発音のグループです。だから、後ろにㄴが続くとㅆ→ㄴパッチムへと変化が起きて、[인는]の発音になります。
なんとなく理解できましたか。発音変化は頭で理解しても、なかなか実践に使えるまでは時間がかかります。鼻音化に出会うたびに一つずつ音を確認して、慣れていくしか方法はないので、すぐに出来ない・覚えられないからと言って諦めずに、コツコツ経験値を積んでいきましょう。
ㄷの音で発音されるパッチム
ㄷで発音されるパッチムって何があるんだっけ?という方のために、パッチムをまとめています。
- ㅅ, ㅆ
- ㅈ, ㅉ
- ㄷ
このほかにも、2重パッチムで鼻音化するものもありますが、どちらの音を優先して発音するかで鼻音化するかどうかが決まります。(없는だったら、ㅂパッチムを発音するため[엄는]になる。等)
音の変化先を覚える方法
鼻音化のルールを覚えたら、あとはどれがどの音に変化するかを覚えないといけません。いろんなパッチム・子音が出てきて混乱しますね。どのパッチムが口の中のどこで発音されているかを覚えると記憶に定着しやすいです。音を出す場所が同じもののグループ内です発音変化が起きるからです。
ㄱ → ㅇ (例:학문 → 항문(学問))
ㄱもㅇも喉の奥の方で発音します。「ㄱ(ック)」と発音したときに舌の奥らへんが閉まるのがわかるでしょうか。 同様にㅇも喉の奥の方で発音する「ん」です。
どちらも喉奥から音が出てくるので、ㄱ は ㅇへと発音変化を起こすのです。
ㄷ → ㄴ (例:있는 → 인는(ある))
「ㄷ」は発音するときに舌が前歯の後ろにつきます。ㄴも舌を前歯の後ろに付けて、発音する「ん」です。これも両方とも同じ場所で発音しますね。
どちらも前歯の後ろに舌をつけて発音するので、ㄷ は ㄴへと発音変化します。
ㅂ → ㅁ (例:십만 → 심만(10万))
最後にㅂ と ㅁ、どちらも上唇と下唇をくっつけて発音するため、ㅂ は ㅁへと発音変化します。これは前2つよりも覚えやすいですよね。
まとめ:鼻音化は音の出る場所によって決まる!
では、今回のまとめです。各パッチム・子音が口の中のどの部分で発音されるかを知ることによって、発音変化の覚えやすさが格段に上がります。
- 鼻音とはㄴ、ㅁ、ㅇのこと。
- ㄱ、ㄷ、ㅂで発音されるパッチムに、ㄴ、ㅁが続くと鼻音化が起こる。
- ㄱ → ㅇ(喉の奥で発音するもの同士で変化)
- ㄷ → ㄴ(前歯の後ろに舌をつけて発音するもの同士で変化)
- ㅂ → ㅁ(唇を閉じで発音するもの同士で変化)
これとは別に、もう一つ鼻音化が起こる法則があるけれど、それはまたの機会。
鼻音化が起こる仕組みがわかれば実践あるのみ!Youtubeなど見て、鼻音化がどこで起っているのか探してみよう!
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これ一冊で発音変化は完璧にマスターできるはず。